8 Signs You’re Eating Too Much Sugar

 前に、ダイエットによって背負うことになる不幸について書いた。ダイエットの本当の不幸は、食べたいものが食べられなくなることではなく、食べたいという素朴な欲求が損なわれることであるというのが、その内容であった。

ダイエットの不幸 : アド・ホックな倫理学

ダイエットの不幸というものがあるとするなら、それは、食べたいものを食べられないことにあるのではない。自分の好物を目にしたとき、これを食べたいと思う素朴な気持ちが失われてしまうことであり、自分の好物を食べるということが、「あとさきを考えない愚かなふるまい




 もちろん、ダイエットが原因で生れるこの不幸を経験することを願う者などいないであろうし、また、誰も、この不幸のうちにとどまっていたいとは思わないはずである。残念なことに、おいしいものを食べたいと思う素朴な欲求を取り戻す確実な方法はない。なぜなら、それは、単純な「無知」と「無垢」へと、つまり「子ども」へと回帰することであり、これは、誰ひとりとして辿ることの許されぬ道だからである。

 それでも、この不幸から一時的にでも逃れる手段がないわけではない。「何をいくら食べてもかまわない」という確信を持つことができるなら、食べたいものへの素朴な欲求は回復するであろう。

運動+食餌制限とチート・デイの組み合わせが不幸な気分を解消するのに役立つ



 ダイエットとの関係でこれを言い換えるなら、「何をいくら食べてもかまわない」という確信に辿りつくのに必要なことは2つある。

  1.  運動と食餌制限を日常的に続けることである。減量を習慣的に実践することは、食べることによる身体へのダメージを抑えられるという自信を私たちに与えるからである。
  2.  そして、運動と食餌制限を続けながら、何日かに1度、「チート・デイ」(cheat day) を設けるとよい。チート・デイとは、好きなものを好きなだけ食べる日のことであり、アスリートのトレーニングに取り入れられることも多い。プロのアスリートのように明確な目標がある場合でも、食べものに関する厳しい制限はストレスになる。だから、週に1度、10日に1度などの頻度でチート・デイを設定し、食べたいものを食べることをみずからに許すのである。

 好きなものを好きなだけ食べると太ると思うかも知れないが、好きなものを好きなだけ毎日食べ続けると太るのであって、ときどき食べる分には、体重と健康に対する影響を考慮する必要はない。

チート・デイは決まった間隔で配置するのではなく、具体的なターゲットと関連づける方がよい



 それでは、チート・デイの頻度は、どのように設定すべきか。もちろん、週に1度、10日に1度などのように決まった間隔を空けてチート・デイを配置するのは1つのやり方であるが、これは、意志が弱いとすぐに破たんする。実際、私は失敗した。

 だから、たとえば、自分の仕事の目標と関連させて、「これだけの成果が挙がったら、好きなものを好きなだけ食べる1日を作る」と決めればよい。

 ただ、この成果は、必ず客観的に測定可能なものでなければならず、自分だけではなく、他人の目にも成果を確認することのできるものでなければならない。自分のチート・デイを公言し、他人に監視してもらうというのも、効果的であるかも知れない。

 なお、このとき「成果」は、体重や身体のサイズとは無関係のものに求めた方が安全である。「成果」を体重を関連づけると、ダイエットが上手く行かなくなる可能性が高いからである。

 「体重が何キロまで落ちたらチート・デイ」と目標を設定すると、ターゲットとなる体重まで無理に減量してチート・デイを「手繰り寄せ」がちである。しかし、この場合、チート・デイに一時的に体重が増加すると、必ず後悔することになり、結局、減量を継続する意欲が損なわれるのである。