AD HOC MORALIST

人間らしい生き方をめぐるさまざまな問題を現実に密着した形で取り上げます。

2016年08月

大学を中退する人は年間8万人余り。5人に1人が「お金がない」ことが原因だと回答。中退後、安定した職に就けず、奨学金の返済ができなくなる「中退難民」が相次ぐ。背景のひとつが「晩婚化」だ。高齢の親が年金だけで学費を支払えず、子どもが自力で学費を捻出しなければならないケースが続出。さらに熟年離婚やリストラなどのリスクも重なり、「お金がなくて学べない」学生が増えている。中退難民を防ぐには何が必要か考える。

情報源: NHKオンデマンド | クローズアップ現代+ 「奨学金破産の衝撃(2)~“中退続出”の危機~」  




 上の番組を見て考えた。たしかに、奨学金破産は、これだけ切り出して見れば、明らかに深刻な問題である。実際、出演者たちも、深刻そうな顔をしていた。しかし、借金までして大学に行こうと思うなら、当然、「大学で従事する学術研究」について、それなりの覚悟や自覚が先立っていたはずである。


 反対に、自分の経済状況を冷静に考えることもなく、また、勉強への覚悟も自覚もなしに大学に進学したのなら、それは、リテラシーが低すぎるとしか言いようがないし、同情のしようもない。
 そもそも、大学で勉強というのは、(「卒業できさえすれば何でもかまわない」というのならともかく、)本格的にものにしようと思うのなら、アルバイトと簡単に両立させられるほど甘いものではない。実際、匿名でインタビューに応じていた大学生や元大学生からは、「どうしても大学でこれを勉強しなければならない」「どれほど貧乏しようとも勉強に青春をかける」などの覚悟のにじむ発言は一つもなく、「○○を学びたかったのに・・・・・・」的な甘ったれた言葉が私の耳に断片的に残るばかりであった。

library-2414380_1920

 「何も大学に進学しなくたっていいじゃないか」「大変だってわかってて進学したんなら自己責任でしょ」などの反応は、(当然のことながら、番組では紹介されていなかったが、)社会の中には一定数あるはずである。実際、大学入学後に奨学金破産した場合、生涯賃金は、高卒で就職した方がよほど多くなるに違いない。もちろん、何時間もカメラの前でインタビューに答えても、実際に放送されるのはほんの数秒なのが普通だから、肝心の発言がカットされている可能性はある。


 「奨学金破産」の本質が、覚悟も自覚もない者のリテラシーの低さが原因の貧困であるなら、「給付型奨学金」のようなシステムにより、政府が税金を投入してその後始末や救済をすることには、社会的な同意が得られないであろう。

少なくとも私は、納税者として賛成することができない。
 まず、そこまでして大学に行く意味はどこにあるのか、当事者はまずよく考えるべきであろう。

College classroom



lee-scott-1505



 We have currently no posts to show under this category.


↑このページのトップヘ